心、魂、あの世、この世

 

 皆さんは、自動書記というものをご存じでしょうか。

 霊感の強い人が、あの世の、何かの存在とつながり、その何ものかが霊感の強い人の手を借りて、伝えたいことを伝える。あの世の存在とつながった人の手が、自分の意思とは関係なく動き、ノートにさらさらと何行にも、何ページにもわたって、文字が綴られる。これが自動書記と呼ばれる現象です。

 そんなことがあるわけがないと思われる方がほとんどでしょう。眉にツバをつけたくなるような話……。しかし、私の友人に、今から30年以上前、このような現象が起きてしまいました。

 何の前触れもなく、唐突に現れ、友人の手を借りて語り始めた、その何ものかは、ノート数十冊にもわたる、膨大なメッセージを残しました。自動書記だけでなく、友人がその存在とのコミュニケーションに慣れると、友人はその存在が伝えたいことを直接語るようになりました。「今、こういうことを言われている」と前置きして、友人はさまざまなことを話し、言ってみればあの世とこの世をつなぐメッセンジャーの役を果たしたのです。

 あの世の存在から伝えられたことは、長い年月の間に、少しずつ私の心の土台に染み通っていきました。初めは抵抗したものの、私はしだいにその存在が語ることを受け入れるようになり、私のものの考え方は徐々に変わっていきました。人間とはそもそもどういうものなのか……、そうした根源的な問いに関する、大きな発見もありました。

 このサイトでは、その存在が私達に語ったこと、私自身が得たことを、伝えていきたいと思います。

 

 私の友人に現れたあの世の存在は、人間の霊ではありません。ヒトとして生まれ変わることのない、精神だけの存在が、あの世と私達が呼んでいる領域には多数あり、友人に現れた存在はそのひとつだそうです。あの世と呼ばれる領域には、コトバは存在せず、従って名前というものもありません。人や物に名前をつけ、言葉を使って考えたり話し合ったりするのは、地球上での暮らしに限られます。その存在はそう言いました。

 とはいえ、言葉の世界に生きている私達には、名前がないのは不便きわまりないことです。便宜上、どのような名前をつけてもかまわないと、その存在は言いました。このサイトでは、とりあえず、その存在をMと呼ぶことにします。