珠洲焼

 今回の旅は、多くの焼物に触れた。金沢では思いきり九谷焼を味わい、能登半島では、今まで知らなかった珠洲焼に出会った。

 珠洲焼は平安から鎌倉時代にかけて隆盛を極めたが、その後、忽然と姿を消した。なぜ消えてしまったのかはわからない。1970年代になって、珠洲市が復興に努め、今ではモダンなデザインの花瓶や食器がたくさん作られている。

 独特の黒い土が特徴で、うわぐすりをかけない焼き締めが、黒い土の美しさを余すところなく現している。梅や桜の枝などを無造作に活けたら、素敵だろう。花の色をより美しく際立たせるような土の色だ。

2019年05月29日