災害列島

 今や本当に、日本という場所は、生活するのに危ないところになった。地震と豪雨が交互に襲ってくる。といって外国に住む手だてもないから、この町のこの家にしがみついているほかない。

 怖がっているわりには、災害が起きたときの備えをほとんどしていない。飲み水を買ったくらいだ。5年間保つという水で、あと2年は大丈夫だ。ヘルメットが要るか、食器戸棚の扉のストッパーが必要かと、話はするが実行はしていない。

 重たい梅雨空の下、住宅街のあちこちに、紫陽花が華麗に咲いている。自然は湿度が高く、過ごしにくいこの季節にも、ご褒美のように美しい花を用意してくれている。

 

 

2019年07月04日