晴れ間が欲しい

 たぶんもう10日間くらい、青空を見ていない。灰色の空の下で暮らすのは、気が滅入る。雨に打たれて、花も傷んでいる。

 イタリアの村の話を、BS4チャンネルで、毎週放映している。今日は地中海の島にある村の話だ。空気が透明なのだろうか、木々や畑の野菜の色、土の色、あらゆるものの色彩が鮮やかだ。空は抜けるような濃い青で、お天道さまにお目にかかっていない私達には、もう憧れ以外の何ものでもない。

 イタリアの村では、お昼ご飯を家族で食べる家庭が多い。勤めている人達も、昼ごはんを食べに家に戻ってくる。こういう習慣が、家族のつながりを強めるのだ。毎回、羨ましいと思う。いっぽう日本では、お一人様用の席を増やす店が多くなっている。

 日本人は、何十年か前から、生き方を間違えてきたのではないかと、最近思う。家族を煩わしいと思い、しがらみから逃れるために、核家族という形を取るようになった。個人の自由を得たが、孤独という代償を抱え込んだ。人とのつながりがないところに、本当に幸福は存在するのだろうか。

2019年07月07日