ジブリ

 ゆうべ、宮崎駿の「風立ちぬ」をテレビでやっていた。前に見たのだけれど、絵が見事なので、見惚れているうちに物語の世界に引き込まれてしまった。音楽の使い方がとてもオシャレで、疼くようなせつない思いがこみ上げてくる。

 見終わったあとも、悲しみが心の中に居座ってしまい、今朝目覚めてからも、まだ悲しかった。

 飛行機を作るという夢を抱き続けた少年が、優秀な技術者になり、時代は太平洋戦争の真っ只中で、ゼロ戦を完成させるという話だ。これは実話だから、技術者としての純粋な情熱と戦争という現実との絡み合いが、深い悲しみとなって心に迫ってくる。声高らかに反戦を訴えるよりずっと、戦争をしてはいけないという気持ちを、人々の心に呼び起こさせる、そういう作品だ。

2019年04月13日