アナベル

 アメリカアジサイ、アナベル。青や赤紫のおなじみのアジサイと違い、花の色が白から薄緑に変化し、葉も日本のアジサイにくらべて肉薄で柔らかい。大きな白い毬のような花に惹かれて去年購入した。が、日当たりがめっぽう悪い玄関先に置いたら、購入時の花と葉はけっこう保ったが、新しい葉がまるで出てこず、やがて花も葉も枯れて、茶色い棒のような茎だけになった。大きな鉢に植え、水やりにも肥料にも気を配ったが、すべて裏目に出た。

 で、諦めて庭の片隅にほったらかしておいたら、冬、かすかな芽をつけているのを発見した。ほんの僅かな希望の光を見たので、今度は鉢をやめ、軒下に作ってあった小さな花壇に植え替えた。この花壇、当初はノラネコたちのトイレにとしつらえたものだ。のちにだめになりかけたミニバラを植え、そしてバラの隣にアナベルが引っ越してきたのだ。

 春、ほかのアジサイがグングン新しい葉を出しても、うちのアナベルは数ミリの硬い芽をつけたままで、立ち枯れるかと思われた。その後、ようやく葉を出し、蕾もいくつかついたが、花開いてもどうやらこれが精一杯のようだ。これでも、この子はうんと頑張っているのです。

 

 

2020年07月22日